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食品ロスは流通の問題 [社会]

先日某ニュース番組で、食品ロスが消費者の意識の問題であるという一方的な報道があった。何でも、賞味期限が遅い新しいものを選ぶからいけないんだとか?。それでは、敢えて賞味期限間近の商品を値引きもなしに買って食品ロス解決になるというのか?。馬鹿をいうにもほどがあるというものである。売る側が「売り切る」努力をしないから売れ残りが生じるのであって、消費者の意識ではなく、売る側の意識の問題である。碌に値引きもせずに古い商品を買えというのは到底納得できない。

なぜ、売る側は徹底的に値引きしてでも売り切ろうとしないのだろうか?。私の卑近のスーパーでも、値引きが結構渋いことが多い。「この程度の値引きなら新しいのを買うかな」という感じの値引きをしているのだ。まさにこれが売る側の思うつぼなのかもしれない。所管の人口規模において、ある商品が売れる個数はほぼ一定と考えられる場合、すでに売れ残り廃棄分は計算済である。値引きをして古い商品を売り切ってもその分新しい商品が売れ残るので、結局は売上高は下がってしまうのだ。だとすると、値引きをせずに古い商品は廃棄して、新しいのを消費者に買ってもらったほうがいいのである。

だとすると、売れ残るであろう余剰の分を入荷しなければいいと思うのだが、消費者の行動を正確に予想するのは難しいので、そこまではできないだろう。売り切れが続出するようなスーパーに、いくら食品ロスが少ないからといっていくだろうか?。多くの人は足がとおのくのではないだろうか?。売れ残りは最小限にしたいが、ゼロにするのは集客上のリスクが高い。賞味期限ギリの商品はむしろ飾りとしての役割を果たしているとも考えられる。

普通に考えればこの程度のことはわかると思うのだが、だれも言わないのはなぜだろうか?。そもそも、マクロにみると国民全体に行きわたる必要な量を大幅に上回る食料が流通している中において、食品ロスが国民一人一人の意識の問題だというには無理がある。もしそうだとすると、この大量の流通食品を食べきってロスを減らそうということになり、国民総肥満になってしまうだろう。そうしたらさらに多くの食料を輸入して同じことをくりかえすことになるだけのことである。

とはいえ、食品ロスは確かにもったいないことは確かである。少なくとも私の身の回りではほとんどロスは起きていない。読者の皆さんにおいてもきっとそうだろう。食品ロスは流通業界で売りさばけなかったものが大半だからだ。解決策は流通側で考えてもらうのが妥当だろう。
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伊閣蝶

食品ロスが、消費者の意識の問題などではなく、流通業界で考えるべきことだ。
これには強く賛意を示したいと思います。
実際、個々の家庭や消費者は、それなりに計画的な食料品の管理をしています。
つまり食品ロスは、流通側の勝手な都合によって引き起こされているわけで、本気で考えなくてはならないのはそちらの方ですね。
by 伊閣蝶 (2018-06-22 12:42) 

ムース

伊閣蝶様、コメントありがとうございます。

今読み返すと分かりにくい記事でもうしわけありません。要は、食品ロスを減らすのは流通を含めて社会全体で考えるべきであるということ。そして、いくら工夫して人参の皮を調理して食べたところで、アフリカの飢餓の問題が解決するわけではないということです。普通に考えて当たり前のことがなんで報道できないのかといつも思っています。
by ムース (2018-06-24 22:32)