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追悼 小澤征爾 [音楽]

私は小澤先生の実演についに接することはありませんでした。

毎年夏に松本でコンサートが開催されます。決して遠い距離に住んでいるわけではないので、電車で行こうと思えば行ける距離ですし、そのために電車はあります。とはいえ、小澤さんが指揮となれば前売り券完売は必定、ついに行かずしまいでした。

その音楽の評価も、一部の批評家からは大変に冷たいものでありました。それを真に受けてはいけないのえすが、結果私のCDコレクションには小澤盤が5枚しかないのでした・・・。

音楽性については私が語るのは大変おこがましいですし、演奏論とか指揮者による差異もよくわかりません。しかしながら、小澤さんに会ったことがある人からはネガティブなことは一切聞かれないということがすべてを物語っているように思います。まさに彼こそは音楽にすべて身を捧げ、その膨大たる知識量は楽団員が束になっても敵わないほどだったといいます。

さてその5枚のCD、内訳は、バッハ1、ストラヴィンスキー2、プロコフィエフ1、レスピーギ1となっています。いや何とも、コレクションのスキマを埋める曲ばかりだったのでした。これらを故人をしのびつつ聴きながら、是非ドイツオーストリア系の本格的な曲も聴こうとおもいネットを検索すると・・・

今や小澤盤のCDやDVDやBDはすべて売り切れとなっていたのでした。

あれだけ売れない売れないと叫んでいたCDが、もはや時代遅れの化石のようなものだと揶揄されたCDが、なんと短期間で売り切れているとは!!。なんだかんだ言って、ネットや配信ではなく、CDやその解説書のような物理媒体のほうが、実感があるのはレッキとした事実ですよ。亡くなった時だけ話題性でCDを普段買わない人が買うのはちょっと失礼ではと思いつつも、

CDが再評価されるきっかけになりうるのは悪くないことです。まあそのうち再プレスされるはずなので、気長に待とうと思います。

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CDのメリット [音楽]

現在所有CDをひたすらクルマのメモリーに書き込んでいる最中。
約3倍速なので、20分で一枚程度、一日2枚程度だが、今のところもうすぐ100枚といったところである。

車からCDプレイヤーが無くなることについて、特段構わない人もいるだろうし、僕のように死活問題という人もいる。おそらく多くの人にとっては、「あれば便利だが、なければ仕方ない」程度のものなのかもしれない。そうすると、メーカーは今後コストカットの名のもとに廃止を進めていくだろう。すると、既成事実化され、この星の住民にとってCDはもはや不要であるといった論すら出てきそうである。もし仮にそう思っている人がいるならば、是非その人に言いたい、未来永劫CDに関わるなと。しかし、本当にそんなことは可能なのだろうか?。

カーオーディオについての考察を深めているうち、CDの思わぬメリットに行き当たった。

①まずは音質である。なんだかんだ言ってスマホやUSBの圧縮音源はCDにかなわない。尤も、人間の耳が聞き分けられるレベルではないが・・・。
②保存性の問題。これは、CDの寿命が30年と言われる中にあって、実際30年近くたったCDがいまだに光り輝いているところをみると、通常の冷暗所保存であれば50年は余裕だろうし、おそらく購入者の存命中は十分に機能性を維持していると予想される。かたや、ポータブルプレーヤーは壊れやすい代物であるし、USBなども接触部は金属で錆びたり接触不良が生じることもある。よって、保存性や寿命についてCDが極端に劣っていることはない
③携帯性の問題  たとえば一時間程度の音源の運搬にあって、CDは極めてコンパクトである。これがプラケースを廃止して紙ジャケならさらに軽くなる。対してUSBはさらに軽く、スマホにいたっては情報そのものはネット上にあるので質量自体がない。ただし、ネットにつながっていなければいけない。この携帯性は、多くの人に配布するような状況ではメリットを大きく発揮する。
④パッケージ USBだと、そのUSBに何が収録されているかはUSBを見ただけでは分からない。CDでは分かる。アーティストのサインもジャケットにできるが、USBやスマホではほぼ不可能。そういった、アナログ的な要素でCDに利点がある。

当然デメリットとして、空間的にかさばることや、収録時間が短いことなどが挙げられよう。しかし、どんなものにもメリットとデメリットがあるのであって、スマホやUSBに対して光学ディスクにもメリットとデメリットがあるのである。

今後の展開であるが、その替え難いメリットにより、光学メディアはしぶとく生き残っていくだろう。そして、光学メディア廃止派の人にしても、全く関わりなく生活することはおそらくないように思われる。

車のオーディオにしたって、手元にCDがあって直接聞きたいというシチュエーションでは、CDプレイヤーがあった方が明らかに優位である。

「えっ!!!! こんなに高い金払って買った車なのに、CDも聴けないの!!!!!」

という意見が多くなれば、再びカーオーディオのCDが復権するだろう。その日の近からんことを
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イエス再考 [音楽]

イエス、イギリスのロックバンドである。

プログレッシブロックの代表的バンドで、キングクリムゾンやELP、ジェネシスと並んで有名である。

殊に、私の中ではほとんど唯一無二の存在で、キングクリムゾンやジェネシスにしたって、イエスとの関連で聴いているに過ぎない。つまり、最初にイエスありきなのだ。イエスとの出会いは、アルバム「こわれもの」収録の「燃える朝焼け」に遡る。この楽曲は、映画「バッファロー66」に使われていることでとみに有名であるが、恐ろしく完成度の高いinstrumentalな部分と象徴的であいまいな歌詞が濃密な10分の楽曲である。この楽曲はドラミングが特に印象的で、ビル・ブラフォードの天才性が最大限に発揮されている。ブラフォードは早くに脱退したのだが、移籍先のキングクリムゾンからジョン・ウェットンのファンになり、エイジアにもつながっていくのだ。この曲がイエスの曲だと知ったことから、私がイエスにはまっていくことになったのである。今から20年近く前のことだ。

ロック界はメンバーの入れ替わりが多いので、ついつい話が脱線してしまう。ジョン・ウェットンはイエスとは直接関係がないが、エイジアのベーシスト兼ボーカルである。ウェットンのボーカルは声が太いので、イエスのジョン・アンダーソンとは対極的ともいえる。イエスのベーシストはクリス・スクワイアであり、一度も脱退しなかったスクワイアのベースはイエスになくてはならない要素である。

しかし、ウェットンもスクワイアも何年か前に鬼籍に入られてしまった。合掌。

そんなイエスのアルバムを最近聴き直している。イエスとは何かという問いに答えるのは難しい。イエスとは、ジョン・アンダーソンである、という人もいるだろう。しかし私にとっては違う。もしそうだとすると、ジョンのいないイエス作品「ドラマ」はイエスではないということになるが、お聞きいただければわかるように、「ドラマ」はイエス以外の何物でもない。では、イエスとは、クリス・スクワイアなのか、スティーブ・ハウなのか、アラン・ホワイトなのか?。確かに、スクワイアのグイグイ行くベースや、ハウの天才技巧的なギターの調べを聞くと、「ああ、これこそイエスだ!」と思うわけだが、代替が利くかどうかを論じるのは野暮というものだろう。スクワイアがイエスに残り、ABWH(anderson,bruford,wakeman,howe)というイエスの傍流バンドが一時的に存在したことがある。この時ベーシストは代役(トニー・レビン)で立てたわけだが、ABWHの紡ぎだすサウンドはイエス以外の何物でもなかったのである。もちろん、イエスにスクワイアが不要だったわけでは毛頭ない。

イエスの世界観は、特定のメンバーの存在とは必ずしも必須としない。しかしその世界観の塊・マスというものは概念として存在していて、時に欠員があるものの、その中核には必ずアンダーソン、ハウ、ホワイト、スクワイアがいた。時にブラフォード、ウェイクマン、ダウンズ、トレバー・ホーンがいたということである。つまり、上位中枢がイエスという概念的存在であり、精神的支柱とされることの多いアンダーソンですら、その一構成員にすぎないのである。

数あるイエス作品の中で、私が一番好きなのが実は「ドラマ」なのである。この作品にはアンダーソンがいないもののスクワイア・ハウ・ホワイトの3人は健在で、バグルスの2人が加わったことで、テクノポップ風味の加わったプログレという独特のサウンドを紡ぎだしている。「Into The Lens」が私の中のイエスベスト作品である。何度聞いてもいい!!。

勿論これは個人の意見に過ぎず、一般的には「危機」「サードアルバム」あたりが絶頂であったし、コア層であれば「究極」「海洋地形学の物語」「リレイヤー」を挙げるであろうし、へそ曲がりだと「トーマト」や「ドラマ」を挙げるのだろう。勿論私もそれらすべての作品が好きであるが、敢えて「ドラマ」を推すのは、前出3人のアンサンブルが本作で極致に達したことや、テクノサウンドとの一時的融合によりプログレの新たな可能性を見出した点が大きい。アンダーソンがいなくても、イエスという上位概念はメンバー交代で保たれたのである。
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CDは本当にオワコンなのか? [音楽]

新車購入を機に、クルマの紹介動画などをよく見るようになった。見ていて気付くのだが、CDの挿入口のない車も結構多い。カタログなどを見ると、オプションで入れられるものから全く設定のない車まである。そして、動画でもCDが要らないという意見を聞くこともあるが・・・

本当だろうか?。

CDという媒体は本当に終わってしまったのだろうか?。

確かにCDを売る店はかなり減少したが、今でもタワーレコードをはじめCDは街中で結構売っている。さすがにカセットやMDやLPはオワコン感があるにしても、一時間程度の音源の流通の媒体としてのCDはまだ終わっていないように思う。

クラシック音楽についていえば、いまだにCDは健在である。それこそ過去の名演の蓄積が膨大であるため、近年では多くの音源が廉価でボックスで買える時代となり、ファンとしてはうれしい限りである。また、新譜もCDでリリースされることが多いという点で、ポップス系とは状況を異にする。

クラシックコンサートなどに行くと、出演者のCDを売っているのは普通の光景である。そこでは決して音源のチップを売っているわけでもなく、配信データを売っているわけでもないのである。

今時の若い人たちはどうか知らないが、CDを全く持っていないという人はどれだけいるだろうか?。ほとんどいないのではないだろうか。車以外のステレオや音楽再生装置もほとんどはCDの存在を前提に作られている。したがって、今この瞬間CDがオワコンであるという主張には大分無理がある。

そして車を買うときに、どうせならCDプレイヤーのついた車が欲しいという感覚がある人がどれだけいるかという点は気になる。なくても困らないイコール不要というわけではないのだ。逆に、CDが聴けないからその車を買わないという人もいるだろう。CDが余計なのでその車を買わないという人は・・・あまりいないのではないか?。

クルマにCDプレイヤーがなくてもCDを聴けるという主張はある。しかしその場合、CDの音源を他の媒体に移動(例えばUSBなど)するという余計なひと手間が生じる。この作業が結構面倒なだけであることに加え、USBは小さすぎて紛失の危険が大きい。さっと手に取って放り込むだけで好きな音楽が聴けるということは、CDプレイヤーの良い点である。また、CD音源をウォークマンに移してBlutoothで飛ばすとしても、機器を立ち上げて認識させるまでに10秒は最低かかる。何という時間の無駄だろうか。

それにしても、クルマからCDプレイヤーを無くしてしまおうという同調圧力は一体どこから生じているのだろうか?。乗用車メーカーからすればコストカットになって好都合ということだろうか?。

そしておそらく、「あればあった方がいいが、なくても大きくは困らない」人が大多数の中にあって、CD設定のない車がそれなりに売れていくことで、なし崩し的にクルマからCDが無くなっていくとすれば、何とも悲しいことだ。

今こそ言いたい。ダウンロードやストリーミング、スマホ、Blutooth大いに結構。だからといって、CDはいまだになお健在であり、CDの排除はすなわち文明の退化なのだと。
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2020映画ベストテン発表(私的) [音楽]

検索エンジン等で当ブログに間違ってお越しの皆様には申し訳ありません。当ブログの例年の企画だったのですが、ここ数年は年間の新作映画視聴回数が10回に満たない年も多く、久しぶりの開催となりました。コロナ禍の中において、遊びに行く場所もなく、却って映画館に足を運ぶ機会が増えました。それでも映画業界はコロナで苦境とのこと、もっと行きたいとの思いを強くしました。いっそのこと、映画館から徒歩圏内に居住するのが一番いいのではないかとすら思える今日この頃です。

現時点で2020年に劇場で鑑賞した23本の映画の内訳は、洋画18本、洋画旧作1本、邦画4本でした。邦画が少ないなどの偏りは、ブログ主の洋画アート嗜好によるものです(主は鬼滅の刃をまだ見ていません)。このため、今年鑑賞した洋画新作18本を上から順に並べてみることにしました。

① 家族を想う時
② 残された者、極北の地
③ グレタ
④ ストーリー・オブ・マイ・ライフ 私の若草物語
⑤ ある画家の数奇な運命
⑥ パラサイト 半地下の家族
⑦ 17歳のウィーン フロイト教授の人生レッスン
⑧ リチャード・ジュエル
⑨ 私の知らないわたしの素顔
⑩ ピーナツバターファルコン

選外候補作)少女は夜明けに夢をみる、 スキャンダル、 9人の翻訳家、 マザーレス・ブルックリン、 レイニー・デイ・イン・ニューヨーク、 TENET、 ジョーンの秘密、1917命をかけた伝令

見事に偏っています。この18本であれば一位はまあ当然として、2位にはセリフの極端に少ない非話題作品、3位と9位に中年女性のサイコを扱った作品を入れました。メジャー作品は4位と8位だけで、何とサム・メンデスとウディ・アレンとクリストファー・ノーランはまさかの選外です。6位は賛否ある作品ですが、やっぱり映画の作り方が上手いし、今年最大のヒット作(のひとつ)ということで、コンパクトにまとまったエンタメ作でした。はっきりいって10位以下は別にあまり思い入れがないというか・・・、少なくとも私の中においては「印象に残った」のが9位までの作品で、それ以外はかなり早期に忘却してしまいそうな作品だということで、一般の世評とはかなりのズレがある点については、「個人の見解です」ということでご容赦願います。思うに、TENETにしても1917にしても、半端ない製作費がかかっているし、見所の多い作品であることは間違いないのですが、却って疲れてしまいます。ウディ・アレンは好きな監督なのですが、今年の新作は共感できる点が全くなくて、「オシャレ」な映画でしょうといういやらしさが全面に出てしまっているように思いました。観ている人間がひねくれているだけかもしれません。中年女性サイコについては、イザベル・ユベールとジュリエット・ビノシュの迫真の演技に拍手を送りたいと思います。

以上、多くの人には多分何の参考にもならないベストテンでしたが、いかがだったでしょうか?。
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和田落選に寄す2 [音楽]

世間ではちょっとした話題になっている和田アキ子氏の落選。

コメンテーターの意見などをきくと、和田氏に同情的な意見が多く、せめて花道をとか、事前に伺いを立てるべきだといった意見も目立つ。まあこれだけの人だから、最低限の根回しはしておくべきだという、まさにこれぞ日本文化である。そういった根回しは多分なかっただろうから、当の和田氏もビックリしたに違いないのだ。

しかし、報道というものは本来公正中立でなければならない。和田氏の出場により、本来もっと活動している歌手の参加枠が一つ減ることや、ヒット曲を出しておらず使いまわしになっている点、多くの国民がもう出場するべきではないと思っている点、プロダクションとの関係等々、和田氏連続出場のネガティブな側面も報道しないことには中立とはとてもいいがたい。

以前小林幸子氏が出場を逃したときとは、雰囲気がだいぶ異なる。あの時は同情的意見はそれほど多くなかったように記憶している。なお、小林氏は和田氏よりは歌手活動をしているように思われる。

「やっぱり年末は紅白で和田アキ子の歌を聴いて除夜の鐘をきいて、っていうのが・・云々」というのは、きわめて個人的な意見にすぎない。そういう人たちは、「紅白=和田アキ子が出場するもの」という固定観念が出来上がってしまっているように思われる。それはほとんど洗脳に近いものではないか。しかし、ワイドショーではこの手の意見が多いようにみえる。本心から言っているのかいわされているのかは定かではない。

ついでにいうと、和田氏の在日利権問題については追わない。和田氏は国籍を日本に変更しており、その点ではれっきとした日本人である。国籍などというのは結局役所の紙切れ程度のものでしかないのだ。

そもそも、歌手活動がほとんど裏芸となったタレントをン十年と連続起用してきたのが異常なのだ。NHKは、なぜ今回和田氏が不出場なのかに加えて、なぜそれまで毎年出ていたのかを説明すべきだと思うのだが、あまりにも黒い部分が多すぎて言えないのかもしれない。

落選に対する和田氏の態度もどうか。どうやら自分は選ばれて当然と思っていたらしく、ふてくされている様子だとのこと。一体何様のつもりだったのだろうか。潔く受け入れるくらいでなければ、所詮はその程度だったということになる。

しかしなー、この問題がこうもあっさり解決してしまうと逆に面白くないというのはある。NHKは多くの排出すべき膿を抱えていると思うのだが、その一つが排出されたということだ。
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ジャズにおけるトロンボーン [音楽]

ジャズのCDは売り払ったものもあるが、おそらく100枚には満たない。私の場合はそのほとんどがトロンボーン奏者のリーダー作か、参加作である。

街中のBGMでジャズが使われている場合に、驚くほどトロンボーン参加作品が多い。おそらく、中低音領域で耳障りがよく、程よくムーディーなのである。残念ながらトランペットとサックスにはその特性が欠けている。また、スライド楽器であるゆえの、早いパッセージが難しいという宿命であるが、かのJJJohnsonのように卓越したテクニックで不可能を可能にしてしまう方法もあるし、あえて完璧に吹かないことによる味わい深さを味わうというのもある。いずれにしても、ジャズにおけるトロンボーンは特殊である。

私のコレクションが偏っているのは、私自身がトロンボーン奏者の端くれだからであるが、結果丁度よかった側面はある。なにせ、ジャズのCDは数だけで膨大なわけであって、すべてを聴こうとすることは不可能である。トロンボーン参加作品は、おそらく全体の1割にも満たないのではないだろうか?。

特におすすめなのは
Sliding Easy ( Curtis Fuller)
The Fabulous Slide Hampton Quartet (Slide Hampton)
など
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