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医学部は今が得か [社会]

受験生の皆さん、お疲れ様です。

国公立大学の出願が出そろいました。難易度が低い大学でも倍率が高ければ落ちる可能性が上がりますし、難関大学でも倍率が低ければ運よく受かる可能性は上がると思います。よって、倍率は気になるところですし、自分の出身大学の倍率が下がると、「人気ないのかな~」と不安になったりします。かなり前ですが私もこのチキンレースに参戦していたわけで、今はめでたく医師をしております。

受験制度も変遷を重ねて今日に至ります。分離分割方式が事実上の敗者復活戦であった時代を過ぎ、現在ではほとんどの大学が前期のみとなり、後期試験は敗者復活というよりも、保険(要するに滑り止め)のような位置づけになったようです。医学部では何と今や19大学しか後期試験を採用しておらず、その分前期や推薦・地域枠が増えたのですから、当落線上で涙を呑むひとが減ったと予想されるのは悪くないことです。

つまり、例えば東京大学ですと、かつては前期80人、後期10人だったのが、今や前期98人(後期なし、推薦2)です。つまり増えた18人というのは、時代が違えば落選していた人々でした(!)。合格者との差は紙一重ですし、ほとんど運ゲーですが、その要素が減ったということです。その分東京大学の後期試験は受けられませんが、千葉大学や岐阜大学や山梨大学といった後期試験を実施している大学を受けることになるわけです。かつての一期・二期に重なる部分はあります。ややブランド力は落ちますが、前期落ちたら仕方ないですよね・・・。よって、後期試験は敗者復活戦というよりも、滑り止め(保険)になるのです。

医学部の志望者はここ4-5年は連続的に減少し続けています。受験年齢人口も減少していますが、実際にはそれ以上です。今年の出願状況を検討したところ、前期試験の出願者は前年比2311人減少していました(!)。当然難易度も低下していると予想されます。

医師志望の人は後期も医学部に出願すると思います。尤も、一部の人は前期不合格なら後期は医学部以外を出願する人も中にはいると思いますが、大多数は医学部に出願するでしょう。つまり、後期に出願した人数イコール、どうしても医学部に行きたい人と考えてよさそうです。さて、その数字ですが、国公立医学部で後期試験を実施している全19校の後期出願数は6914人で、前年比1109人減少です。なお、前期合格者は自動的に後期試験は受けられませんので、実際の倍率は公表倍率より低くなります。惜しくも前期不合格の皆さんも、しっかりした学力があれば後期に合格できそうです。

ちなみに、全国の前期医学部出願者は14113人でした。ということは、前期医学部出願者の二人に1人は前期一発勝負のようです。もし落選したら、後期で医学部以外に行くのでしょうか?。後期試験は前期落選者の集まりなので、倍率ほど難しくないはずなので、夢はあきらめないでほしいです(ちなみに、筆者も後期組です)。

一般に景気が悪いと医学部人気は上がるといわれています。将来なりたい職業を景気で判断するのはどうかと思いますが・・・。あとは少子化や、医者の実態がばれてしまったこと(ドキ!)、ノーベル賞の影響で理工系の人気が上がっているなどの影響が考えられます。しかし、将来の景気のことなんかわかるはずがありません。医学部に入って医者にならない選択肢も当然あります。安定性と収益については、今のところはまだまだお勧めといえるでしょう(将来はわかりませんが)。もっとも、若い人たちはお金や安定を第一に考えるもどうかと思いますが、そうはいっても社会は甘くないです。

結論としては、人気が低下して易化している今こそ、医学部はねらい目と言えます。受験生のみなさん、頑張ってください。
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