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すみだ北斎美術館に思う [社会]

今月22日にいよいよ開館するすみだ北斎美術館であるが、大瀬氏によるソネットブログを参照していただければ、このハコモノに関するきわどい話が満載であり、どうやらこれは天下り利権の残滓にすぎず、区民・都民・国民の何らためになっていない事業のようで、とても残念である。

確かに北斎といえばビッグネームではあるが、だからといって我々一般人にとってそこまで特別な存在たるだろうか?。私は洋画のほうが展覧会としてはしっくりくるほうである。しかも、この新設の美術館は外観が壮麗ながら、内部は狭いうえに駐車場もほとんどないらしい。物珍しさに当初こそ動員は見込まれるが、1-2年であっというまに閑古鳥という可能性はあるかもしれない。

大瀬氏によると購入作品は贋作や後刷り版画が多いらしく、しかも相当の高値掴みさせられているという。さらに、それらの怪しげな作品群は倉庫に入ったきり出てこない可能性が高い。なにせ、プロの鑑定士が来場された場合に、作品の真贋が問題となってしまっては一大スキャンダルになってしまうからである。これまでの区の購入費用は、数十億円に達している様子。血税をである。

それにしても思うのは、民意というものは議会制民主主義では必ずしも反映されないということだ。それは、区議会議員の選挙の争点が美術館問題だけではないので、当然ではある。えてしてハコモノというものは利権が絡んでくるため、いったん決定したら後には引きにくくなるし、その決定すら遡ると思いつき程度のものであることもある。墨田区民はおそらく大半が美術館を望んでいないが、黒いうわさが流れる中、ついには建設・開館を阻止することはできなかった。この先、基本的に北斎関連作品しか展示されないきわめて発展性の小さい美術館はどれだけの赤字を垂れ流していくのだろうか。

東京都にはこれ以外にも、築地市場の豊洲移転問題や、都立広尾病院の移転問題が存在する。この二者については、小池知事が誕生して以降、マスコミにもクローズアップされ、広尾病院についてはなんとか無駄な移転を阻止できる可能性がでてきたが、豊洲はすでに建設されてしまった!。そして、美術館は都政ではなく区政ではあるが、これも開館してしまう。私は、何もハコモノがすべて悪いというつもりはない。この日本には素晴らしい「ハコ」はたくさんある。しかし、近年立てられる利権の残滓のごときハコはただの税金の無駄遣いだ。民意をもってそれらを阻止できないサイレントマジョリティは哀しい限りである。
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