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北海道IR誘致撤退に寄す [社会]

北海道が苫小牧に検討していたIRの誘致を断念したとのニュース。

東京五輪のマラソン競技の札幌移転は、カジノ誘致とバーターだったという某週刊誌の記事は全くのでたらめだったということになるだろうか?。その記事によると、マラソン移転の見返りとして北海道にカジノをということだったのだが。

今回の選択は極めて賢明である。当ブログでも再三指摘しているように、カジノに反対するのは賭博が精神の廃退であって、人間性の堕落だからという点に尽きるのであって、ギャンブル依存症が云々という立場はとっていない。

ともあれ、そもそも北海道、しかも苫小牧にIRが必要だろうか?。IRの本体はカジノではない(というのは推進派の目くらましかもしれないが)。国際会議場や美術館、展示場、ホテルなどを組み合わせた巨大施設というのがIRの骨子である。ここでいう国際会議場とは、大ホールでいえば6000席級のものを指す。そもそも日本は国際的に会場が不足している(と推進派は根拠にしているが)ので、国際級の施設を作ろうというのが推進派の建前上の理屈であった。実際には日本でも国際会議や展示は開かれているので、施設が不足しているという前提には当ブログは賛同しかねるわけだが、もし仮にそうだったとして、建設場所は苫小牧だろうか?。苫小牧にような中途半端な都市で、国際的な会議が開かれるとはどうしても考えられないし、建設しても稼働率が悪いことは目に見えている。こんなところでカジノを開業しても客はおらずに早晩潰れること必至(それ自体はいいことだが)。仮に北海道にIR作るとしても、採算的に可能なのは札幌一択であろう。

というのも、先日某地方都市(人口15万人程度)の某ハコモノ施設でプロのオーケストラによる公演があるので行ってきたのだが、何と観客が300人程度しかいなかったのだ(定員は1600)。おそらく東京でやれば満席は必至の公演だったであろうが、現在の都市格差はそれほど凄まじいものがある。この例にみるように、苫小牧で国際会議場を作っても、それが連日盛況の運営をされる可能性は皆無であろう。ましてやカジノである。人口にしめる博徒の割合は低い(と信じたい)はずで、苫小牧周辺に博徒が多いというのは聞いたことはない。仮に苫小牧に決まっても、採算性のないカジノ事業に手を挙げる事業者はないだろう(ないのはいいことだが)。

IR・カジノ関連のニュースはいろいろとツッコミどころ満載で、なんでも賛成すると得票率が下がるので首長も賛成しにくいのだとか(大阪は例外)。だとしたらとんでもないことで、民意を蹂躙するにもほどがあるといいたい。IR建設には住民投票は必須と考えます。
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