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ゴーン逮捕に寄す [社会]

今回のゴーン逮捕。世界的大企業のトップであり、すでに国際問題に発展しているが、それだけに東京地検特捜部にはそれだけの勝算があって、もし討ち取れば大金星なのは間違いない。しかしながら、今回の逮捕劇は極めて劇場型であるし、違和感が半端ないのだ。

そもそも罪状は何か?。脱税をしたわけでもなく、虚偽記載であるという。しかも、虚偽記載は彼の指示があったのかどうかが争点となるだろうが、立証できるのか?。そして他の社員は司法取引したというが、社全体の問題であれば二人だけに責任を負わすのはどうか。クーデター要素があるという噂もあるが、実際そうなのだろう。

私はゴーンは好きではない。しかし、それとこれは別の話である。小沢一郎の時もそうだったが、国家権力の暴走は決して許すべきではない。ホリエモンの時も、彼は無罪(すくなくとも懲役刑を食らうような犯罪ではない)と私は思っているが、ある日突然「強制捜査だ!堀江いるか!」てな感じだったらしい。戦時下の特高警察とどう違うというのだろう。この国は法治国家なのか?。

日本という国の、少なくとも司法や警察行政における前近代性がクローズアップされつつある。いわゆる人質司法の問題で、今回の事件以前にもすでに国際的な批判を浴びているものだ。罪状を認めなければいつまでも拘留でき、そのうちに被疑者は精神に異常をきたしてありもしない罪を認めてしまうというアレである。ゴーンがそうなるとは思えないが、この事件を契機にもっと日本の司法への批判が高まればいいだろう。この国の99.9という数字に代表される異常な取り調べ手法は冤罪の温床である。国民一人一人も明日は我が身、もっと真剣に考えるべきだ。

最新報によると、ゴーンは否認しているという。そして大弁護団が結成されるという。同様の事例では、ホリエモン事件ではさしたる証拠がないにもかかわらず(検察側は)有罪判決を勝ち取っている。その判例通りならゴーンは有罪になるはずだが、世界的規模が違いすぎる。さらにいうと、問題とされている偽装?が与える社会的影響の小ささに比べ、逮捕の世界的な影響が大きすぎるということだ。たとえて言えば、立ちションやスピード違反で逮捕拘留されたようなものだ。そしてゴーンがムショ暮らしになった日には、日本の暗黒司法がさらに国際的な問題となるだろう。もし今回の事件が歴史において価値があるとすればその件につきるだろう(ゴーン氏にはわるいが)。

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